オリーブ牛とは?香川県の特別な黒毛和牛

オリーブ葉を食べて育った、ヘルシーでやわらかいお肉
オリーブ牛(オリーブぎゅう)は、香川県だけで育てられている特別な黒毛和牛です。
最大の特徴は、エサにオリーブの実のしぼりかすを使っていること。
オリーブの栄養をたっぷり取り入れて、健康に育ったオリーブ牛は、やわらかくて脂がさっぱりしているのが魅力です。
オリーブの実って、なにがすごいの?

オリーブの実には、「オレイン酸」やポリフェノール(抗酸化成分)がたっぷり含まれています。
これは、体をさびにくくする成分で、人間にも健康によいとされています。
この実をエサに混ぜて育てることで、牛も元気に。
結果として、お肉の脂が軽く、やさしい味わいになります。
オリーブ牛の3つの美味しさのひみつ

1. 脂があっさり、しつこくない
オリーブの栄養で育った肉は、脂の口どけがよく、あっさりしています。
脂が多くても胃もたれしにくく、幅広い世代に人気です。
2. やわらかくてジューシー
香川県の自然と、手間ひまかけた飼育で、とろけるようなやわらかさ。
焼肉・ステーキ・すき焼き、どんな料理でも美味しく食べられます。
3. 赤身もおいしい
脂だけでなく、赤身の旨みも濃厚。
噛むたびに、しっかりしたコクと香りが広がります。
オリーブ牛 開発ストーリー
香川県の知恵と挑戦が生んだ、新しい和牛のかたち
はじまりは、「もったいない」から
香川県といえば、日本で初めてオリーブ栽培が行われた“オリーブの地”として知られています。
オリーブの木は県内各地で育てられ、オリーブオイルや化粧品、加工品など、さまざまな商品に活用されています。
しかし、オリーブオイルを作ったあとに残る「しぼりかす」や「葉っぱ」は、これまでほとんどが廃棄処分されていました。
「香川の大切な資源を、もっと有効に使えないか?」
そんな“もったいない精神”が、オリーブ牛の開発へとつながっていきます。
オリーブと和牛の意外な相性
オリーブには、強い抗酸化力をもつポリフェノールが多く含まれており、健康に良いことで知られています。
この栄養価の高いオリーブを「牛の飼料にできないか?」というアイデアから、研究と試験がスタートしました。
しかし、実際には簡単ではありませんでした。
-
オリーブの葉は苦みが強く、牛が食べてくれない
-
発酵処理や乾燥など、食べやすい形にする工夫が必要
-
肉質に悪い影響が出ないように、配合やバランスを調整する必要がある
試行錯誤を繰り返しながら、何年もかけて改良が進められました。
ブランド化への道
最終的に完成したのが、「オリーブ飼料」を与えて育てられた黒毛和牛。
その肉質は、
-
脂がしつこくなくてさっぱり
-
口どけがよく、やわらかい
-
赤身にも旨味がある
という特徴を持ち、多くの試食評価で高い評価を受けました。
これをきっかけに、2010年、香川県独自のブランド牛として「オリーブ牛」が誕生。
以後、県内外の飲食店や百貨店などでも注目されるようになり、香川の新たな名産品としての地位を確立しました。
サステナブルな地域資源活用モデル
オリーブ牛は、ただ美味しいだけではありません。
「地域の副産物を活かす」という点で、環境にもやさしい畜産モデルとして評価されています。
-
オリーブの葉や実のしぼりかすを再利用
-
県内の畜産農家・食品メーカー・大学が連携
-
地元資源を循環させ、無駄を減らす取り組み
こうした「人・自然・食」がつながる仕組みが、オリーブ牛の裏にあります。
まとめ:香川の知恵と自然が生んだ、未来につながる牛肉
オリーブ牛は、香川県の人々が「地元の良さ」を活かして、「新しい価値」を作り出したブランド牛です。
今では、贈り物・ギフト・家庭のごちそうとしてだけでなく、海外でも注目されつつあります。
これからも、香川県の魅力とともに、世界に誇れる和牛として広がっていくことでしょう。