フェットゥンタ(Fettunta)

シンプル、だからこそ美味しい!

トスカーナのオリーブ農家が、新オリーブ油を喜び、祝うための一切れのパン。

イタリア・トスカーナ地方。
オリーブの収穫と搾油が終わると、農家の台所では必ずと言っていいほど作られる料理があります。
それが「フェットゥンタ(Fettunta)」です。

材料は驚くほどシンプル。

  • トスカーナパン

  • にんにく

  • そして、出来立てのオリーブオイル

フェットゥンタは、料理というより“儀式”に近い存在。
つまり、搾りたてのオリーブオイルがどんな出来なのかを、まずはパンに垂らして確かめるための一品なのです。

ブルスケッタとの違い

「パンにオリーブオイル」と聞くと、ブルスケッタを思い浮かべる人も多いでしょう。何故なら、ブルスケッタはイタリア全体の前菜であり、フェットゥンタはトスカーナ地方の郷土料理だからです。

フェットゥンタブルスケッタ
オリーブオイルが主役トマトなど具材が主役
具は基本なしトマト・バジル・チーズなど
新油の風味を味わう前菜・軽食として完成
農家の日常レストラン・家庭料理

フェットゥンタは、「オイルを味わうためのパン」
ブルスケッタは、「具材を楽しむためのパン」

トスカーナパンの特徴

フェットゥンタに欠かせないのが、トスカーナパン(Pane Toscano)

この料理にこだわるならば、パンについても理解しておきたいところです。

最大の特徴は、塩を使わないことです。

  • 塩なし

  • 素朴で小麦の味が強い

  • パサっとしているが、オイルをよく吸う

何故、塩無しかといえば、これは歴史的に、塩が貴重だった時代の名残とも言われています。

しかし、塩気がない分、オリーブオイルの苦味・辛味・青さが際立つのです。

日本で作る場合は

  • 無塩または塩控えめの食パン

  • カンパーニュ

  • バゲット

でも十分に雰囲気は再現できます。

出来立てのオリーブオイルを楽しむということ

フェットゥンタが最も愛されるのは、オリーブオイルの搾りたての季節

まだ若く、

  • 青草のような香り

  • 喉にピリッとくる辛味

  • 少し濁りのある黄金色

そんなオイルを、焼いたパンにたっぷり回しかけます。

にんにくを軽くこすり、塩をひとつまみ。
それだけで、キッチンに立ち上る香りが変わる。

誰かが言います。
「今年はいいオイルだな」

 

結局、フェットゥンタは、オリーブオイルを“評価する”料理でもあり、
同時に、一年の実りを祝う料理なのです。

日本で楽しむフェットゥンタ

この逸品には、特別な道具はいりません。

  1. パンをしっかり焼く

  2. にんにくの薄皮を剥いて、パンに軽くこする

  3. 塩を少し(塩味のあるパンでは不要)

  4. オリーブオイルを惜しまずかける

ポイントはただ一つ。
「もったいぶらないこと」

フェットゥンタは、贅沢に見えて、とても素朴。
つまり良いオリーブオイルほど、シンプルに食べる価値があります。

フェットゥンタは、オリーブオイルへの敬意

トスカーナの農家にとって、フェットゥンタは流行でも映えでもありません。
それは、自然と向き合ってきた一年への答え合わせ。

パン一枚で、オリーブオイルのすべてがわかる。
だからこそ、今日も変わらず作られ続けています。

 

もし、フレッシュで香りの良いオリーブオイルが手元にあるなら。
まずはフェットゥンタから、始めてみてください。

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