トルタス・デ・アセイテ(Tortas de Aceite)

スペイン南部、アンダルシア地方。
白い家が連なる町のパン屋や家庭で、昔から親しまれてきた素朴なお菓子があります。

それが
トルタス・デ・アセイテ(Tortas de Aceite)

バターではなく、
オリーブオイルで作られる薄焼きの焼き菓子です。

トルタス・デ・アセイテとは

見た目はとてもシンプル。

  • 薄く伸ばした生地

  • 表面に砂糖

  • パリッとした食感

けれど、ひと口かじると
ふわっと立ち上がるオリーブオイルの香りが、このお菓子の正体を教えてくれます。

もともとは

  • 家庭で焼かれる保存菓子

  • 日持ちするおやつ

  • コーヒーやワインのお供

として、アンダルシアの日常に根付いてきました。

なぜバターではなく、オリーブオイルなのか

トルタス・デ・アセイテが生まれた土地は、
オリーブの産地です。

  • バターは貴重

  • オリーブオイルは身近

  • 高温でも安定

  • 日持ちがよい

そのため、甘いお菓子であっても
油脂はオリーブオイルが当たり前

結果として生まれたのが、

  • 重くない

  • 口どけが軽い

  • 甘さが残らない

独特の焼き菓子でした。

アンダルシアの家庭菓子としての存在

トルタス・デ・アセイテは、特別な祝い菓子ではありません。

  • 午後のおやつ

  • 来客時に出す一枚

  • 朝のコーヒーのお供

そんな、生活の中のお菓子

一枚が薄く、軽いのも特徴で、
「一枚だけ」のつもりが、気づくともう一枚に手が伸びる。

派手さはないけれど、
オリーブオイルと共に生きてきた土地の味が、そのまま残っています。

香りを楽しむためのお菓子

このお菓子の主役は、砂糖ではありません。

  • 小麦

  • オリーブオイル

  • ほんのり香るアニスや柑橘の皮(家庭によって)

甘さは控えめ。
その分、焼いたオリーブオイルの香りが前に出る

バター菓子のようなコクではなく、
空気を含んだような軽さが、トルタス・デ・アセイテの魅力です。

 

日本で楽しむトルタス・デ・アセイテ

日本でも材料はとても身近です。

  • 小麦粉

  • オリーブオイル

  • 砂糖

もし作るなら、
クセの強すぎない、香りのきれいなオリーブオイルが向いています。

青さが強すぎると主張が前に出すぎるため、
まろやかでやさしいタイプが相性◎。

材料6枚分
薄力粉 160g
オリーブオイル 大さじ4
アニス(柑橘の皮)小さじ2
砂糖 小さじ2
塩 小さじ1
ドライイースト 小さじ1

コーヒーと、午後の静かな時間に

トルタス・デ・アセイテは、
ケーキのように「ごちそう」ではありません。

けれど、
オリーブオイルを“甘い形”で味わう文化を、最も素直に伝えてくれます。

コーヒーの横に一枚。
何も足さず、何も引かず。

それだけで、
アンダルシアの乾いた空気と、オリーブ畑の風景が浮かんできます。

トルタス・デ・アセイテは、オリーブオイルの懐の深さ

料理だけでなく、
野菜だけでなく、
甘いお菓子にまで寄り添う。

トルタス・デ・アセイテは、
オリーブオイルが「日常の油」であった証拠です。

もし、
「このオイル、少し余っているな」と感じたら。

甘い一枚に、使ってみてください。
オリーブオイルの別の顔が、きっと見えてきます。

このお菓子を作っているメーカーがあります。
イネス・ロサレス、1910年創業のアンダルシアのお菓子メーカーです。
 イギリスでは、100年以上変わらないレシピ で親しまれています。

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