
外国産オリーブと国産オリーブ、どう違うの?
✅ オリーブオイルと私たちの暮らし
私たちの食生活において、オリーブオイルは今やなじみ深い調味料のひとつとなりました。
家庭の食卓だけでなく、レストランやお惣菜などでも広く使われるようになっています。
🌍 世界のオリーブオイル生産
オリーブオイルは世界中で生産されており、
2022年の年間生産量は約270万トンと推定されています。
そのうち
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スペインが約40%(約110万トン)
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イタリアが約10%(約27万トン)
と、主に地中海沿岸諸国が世界の供給を担っています。
🇯🇵 日本の輸入と自給の現状
このオリーブオイルのうち、日本は年間約6.7万トンを輸入しています。
これは世界の生産量の約2.5%にあたります。
しかしながら、日本国内で生産されているオリーブオイルはごくわずかです。
最新の推定では、年間30〜45トン程度の生産にとどまっており、
自給率はわずか0.05〜0.07%という低さです。
つまり、日本で消費されるオリーブオイルのほぼ100%が輸入に依存しているのが現実です。
国産農産物の誇り
国産オリーブの製造費用の中で、最も大きな割合を占めるのが労務費です。
今回はその労働負担について、他国や他作物との比較を交えながら見ていきます。
スペインでは、伝統的な乾燥地オリーブ栽培(secano)で10haを約1人(年間960時間)で管理しているというデータがあります。
つまり、日本と比べて圧倒的に少ない労働時間で栽培が成立しているのです。
機械化が進んだ国産オリーブ栽培でも、年間3,000〜4,500時間かかると言われています。
これと比べると、ヨーロッパでは日本の約1/3程度の労働時間でオリーブが生産されていることになります。
海外では米づくりに年間800時間程度しかかけていない地域もあります。
一方で、日本での稲作は、10haあたりおよそ3,000〜3,500時間の労働が必要とされ、このように世界の農業が効率性を追求する一方で、日本では
「八十八の手間暇」と言われるように、丁寧で丹精込めた米づくりが伝統として根づいています。オリーブ栽培においても木々を注意深く見守って、手摘みで丁寧な収穫をしています。
日本のお米は、粘りや甘みのある食味が好まれます。対して、タイのジャスミンライスは独特の香りが魅力で、タイ料理やベトナム料理によく合います。このように、食文化によって好まれる味は地域によって異なるのです。日本の食に適した作物作りを意識する必要もあるでしょう。
国産としての誇りを持ち、丁寧な製造と品質にこだわることで、
「やっぱりオリーブオイルも国産がいいね」と言っていただけるような、
日本ならではの価値あるオリーブオイルを作っていきたいと考えています。
海外のオイルは安くて高品質ですが、中には粗悪な品質のものもあるそうです。語弊が無いように言い換えると、オリーブオイルは高品質なものから、食に適さないものまでランク分けされていて、それぞれに需要はあるのです。