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Toggle甘くて軽い、アンダルシアのオリーブオイル菓子
スペイン南部、アンダルシア地方。
白い家が連なる町のパン屋や家庭で、昔から親しまれてきた素朴なお菓子があります。
それが
トルタス・デ・アセイテ(Tortas de Aceite)。
バターではなく、
オリーブオイルで作られる薄焼きの焼き菓子です。
トルタス・デ・アセイテとは
見た目はとてもシンプル。
薄く伸ばした生地
表面に砂糖
パリッとした食感
けれど、ひと口かじると
ふわっと立ち上がるオリーブオイルの香りが、このお菓子の正体を教えてくれます。
もともとは
家庭で焼かれる保存菓子
日持ちするおやつ
コーヒーやワインのお供
として、アンダルシアの日常に根付いてきました。
なぜバターではなく、オリーブオイルなのか
トルタス・デ・アセイテが生まれた土地は、
オリーブの産地です。
バターは貴重
オリーブオイルは身近
高温でも安定
日持ちがよい
そのため、甘いお菓子であっても
油脂はオリーブオイルが当たり前。
結果として生まれたのが、
重くない
口どけが軽い
甘さが残らない
独特の焼き菓子でした。
アンダルシアの家庭菓子としての存在
トルタス・デ・アセイテは、特別な祝い菓子ではありません。
午後のおやつ
来客時に出す一枚
朝のコーヒーのお供
そんな、生活の中のお菓子。
一枚が薄く、軽いのも特徴で、
「一枚だけ」のつもりが、気づくともう一枚に手が伸びる。
派手さはないけれど、
オリーブオイルと共に生きてきた土地の味が、そのまま残っています。
香りを楽しむためのお菓子
このお菓子の主役は、砂糖ではありません。
小麦
オリーブオイル
ほんのり香るアニスや柑橘の皮(家庭によって)
甘さは控えめ。
その分、焼いたオリーブオイルの香りが前に出る。
バター菓子のようなコクではなく、
空気を含んだような軽さが、トルタス・デ・アセイテの魅力です。
日本で楽しむトルタス・デ・アセイテ
日本でも材料はとても身近です。
小麦粉
オリーブオイル
砂糖
水
塩
もし作るなら、
クセの強すぎない、香りのきれいなオリーブオイルが向いています。
青さが強すぎると主張が前に出すぎるため、
まろやかでやさしいタイプが相性◎。
材料6枚分
薄力粉 160g
オリーブオイル 大さじ4
アニス(柑橘の皮)小さじ2
砂糖 小さじ2
塩 小さじ1
ドライイースト 小さじ1
コーヒーと、午後の静かな時間に
トルタス・デ・アセイテは、
ケーキのように「ごちそう」ではありません。
けれど、
オリーブオイルを“甘い形”で味わう文化を、最も素直に伝えてくれます。
コーヒーの横に一枚。
何も足さず、何も引かず。
それだけで、
アンダルシアの乾いた空気と、オリーブ畑の風景が浮かんできます。
トルタス・デ・アセイテは、オリーブオイルの懐の深さ
料理だけでなく、
野菜だけでなく、
甘いお菓子にまで寄り添う。
トルタス・デ・アセイテは、
オリーブオイルが「日常の油」であった証拠です。
もし、
「このオイル、少し余っているな」と感じたら。
甘い一枚に、使ってみてください。
オリーブオイルの別の顔が、きっと見えてきます。
イネス・ロサレス、1910年創業のアンダルシアのお菓子メーカーです。
